・田んぼに夏草が繁茂する(解決数:9)

問題1【芹(セリ)】:他の方が有機でやっていた田んぼを自然農に切り替えて、5年目の田んぼです。

 大きさは4畝で、山間地の田んぼで粘土質なので、モグラ穴さえ気をつければ水持ちはいい方だと思います。水は川から引いていて、それほど冷たくはありません。日当たりもいいです。

 この田んぼ、最初はあまりなかったセリが年々増えて、今ではじゅうたんのようにびっしり生えている所もあります。田植えの時に、刈りながら植えて行くので時間がかかって仕方ありません。

繁茂するセリ
繁茂するセリ

 セリ刈りで体力をかなり消耗してしまうため、たった4畝の田んぼですが、2、3人でやって田植えに1週間くらいかかってしまいます。

 (ちなみに、刈ったセリはそのまま田んぼに敷いています。刈ったセリからまた根が出てきますが、いったんは勢いが収まるので、最初の草刈りのタイミングを逃さなければ稲が競争に負けることはなく、これまで一応きちんと育っています。)(2015/06/09 長野県 Uさん投稿)

 

問題2【チクゴスズメノヒエ、アシカキ】:3年目位から田んぼ一面にチクゴスズメノヒエ(キシュウスズメノヒエの変種)やアシカキが繁茂し、これにイネが負けるため30~50%程度減収しました。

 これに対して、徹底した草管理と田植え時にこれらの草の宿根を取り除くことで対応しましたが、十分な効果を得るには至っていません。これらの対策を更に徹底することにより、一層の効果が得られる可能性はありますが、この場合は作付面積を減らさざるを得ません。

解決1現在はこれらの対策の他に、田の一部を休耕にして夏季に乾田とし、これらの草の勢いが弱まる数年後に水田に戻すという試みを行っています。現在2年が経過しておりますが、これらの草の勢いはだいぶ弱まっていると感じています。(静岡県 Tさん、約10年目)

 

問題3【葦(アシ)】:一部に葦が生い茂る田に、草を刈り田植えをしました。出穂までは、何度かの草刈りで葦を抑えていましたが、出穂後も葦が伸びてしまい、ひどいところはあまりお米が穫れませんでした。

 冬季にしっかりと田を乾かすことかと思いますが、今のところ解決していません。(石川県 Kさん、約3年目)

 

問題4【セイタカアワダチソウ、ミゾソバ、キツネノボタン】:田植前の5月頃には草の背丈がかなり伸びて、草刈りに労力を費やしています。1年目はせいたかあわだち草、2年目はミゾソバが盛り上がるように伸び、3年目はキツネノボタンが勢いを増していました。

 田植え後も水が少なかったせいか一面に広がってしまい、冬には一旦地上部は枯れたようですが、今の季節地表に広がっています。今年は2月から田の草刈りを始めたのですが、効果があるのかわかりません。(長崎県 Kさん、約4年目)

 

解決2【裏作に麦を育てる】:うちでは、麦を田んぼ全体にばら蒔きしていますが、麦が田んぼ全体にしっかり育つと、その間は冬草も夏草も旺盛には茂りにくくなります。ですから、麦を下から刈った後、夏草が茂っている部分だけさっと草刈りすれば、すぐに田植えを始めることができます。田植え前の麦刈り作業は忙しくてそれなりに大変ですが、収穫の喜びがともなうので頑張れますし、田んぼ全体の草刈りをしてから田植えを始める方法に比べると、労力的に無駄が少ないと思います。刈った麦は、はざ掛けして干し、田植え後に脱穀します。(2015/6/18 三重県Sさん投稿)

 

解決3【株間を狭くする】:3~5年目にかけては年々田が豊かになっていく(亡がらの層が形成されていく)事は実感しているが、草の勢いも強くなり、稲の株の成長が妨げられている。特に、幼穂形成から開花の始まる前に草に負ける事が多い。

 解決法として、田植えから1ヶ月間の草の管理を徹底するだけでなく、6~7年目までは、株間を余り広げない事で草の生育スペースを制する。(早生短旱種は狭く、晩生でも長旱で株張り分けつが盛んな種は広目に)(岡山県 Hさん、約5年目)

 

解決4【田植え後、除草作業を早めにする】:田植え後、早い目早い目に除草の作業を行うと、稲の生育が順調で草に負けない稲に育って、分けつ期の営みを終えた8月中旬には、稲の足元で草々が生きており、小動物も草々に生かされて、稲共々に健康に元気よく育つことになる。(2015/4/10 奈良県 川口由一氏投稿)

 

解決5【ソリガナで草を刈る】: (自然農で栽培を初めてから)数年でキシュウスズメノヒエが田を被い、少し遅れると草の管理が不能となりました。そんな折、教えていただき、「ソリガナ」を使い早目にさっと草管理をして回るようにしたところ、わりに楽に茎数が確保できるようになったと思います。(徳島県 Oさん)

 

解決6【鍬で草を刈る】:去年は(草刈りの)作業にかかる時間を短くしたいとの思いから、鋸鎌の代わりに鍬を使って立ったまま草を根元あるいは少し土を削るくらいのところで刈る(切る)という方法を試しました。

 作業の進むスピードは上がり、2回草刈りに入れればイネはそれなりに育つ印象でした。

 ただ、株の周囲の草が刈りにくく、イネを傷つけることもありました。鋸鎌より少し丁寧さに欠ける点や、土を削ることになるので、亡骸の層の形成にとってあまりよくないのではないかというところが気にかかります。(福島県 Aさん、約2年目)

 

解決7【草の種類を見極める】:田植え前に田んぼに繁茂している草について。

生えている草が、水に強い草(湿気を好む草)なのか、水に弱い草(湿気を好まない草)なのかを見極めることは、適切に対応するための手助けとなります。

 

<水に弱い草>セイタカアワダチソウ、ヨモギ、スギナ、笹、チガヤ、ススキ等。

 →これらの草は、田植えが始まり田んぼに水を入れると、生きることができず枯れていきます。(ただし、水が十分に畝の上まで溜まらないと枯れない場合もあります。)

 

<水に強い草>ミゾソバ、カヤツリグサ、イヌビエ、セリ、コナギ、葦(アシ・ヨシ)、キシュウスズメノヒエ、タデ等。

 →これらの草は、田んぼに水が入っても勢いが弱まらない、あるいはますます勢いを増す草々です。稲の生長の妨げにならぬよう、田植え後も早めに草刈りに入る必要があります。(2015/6/14 赤目自然農塾スタッフ間の会話より)

 

解決8【冬期の排水を良くする】:田植え前に、水に強い草が繁茂しているということは、冬の間も田んぼに湿りが多かったということなので、今年は冬期に排水を良くしておいたら来年は減るのではないか。田んぼの水はけを良くする方法は、溝が埋まっていたら掘り直し、排水口を設けて、水が溜まらないようにする。

 また、自然界を見ていると、特定の草が何年も同じ場所ではびこり続けることは無く、連作障害と同じで、やがて衰退していくか、繁茂する場所を変えていく。だから、現在繁茂している草が今後も毎年繁茂するとは限らない。(2015/6/14 赤目自然農塾スタッフ間の会話より)

 

編集記このテーマでは、過去のものも含めると多くの投稿がありました。

 どのようにまとめるか少し悩みましたが、「問題」のほうは「草別」にしてみました。

「解決」のほうは、田植え前~田植え後と、いろいろなお話が出てくるため少し焦点を合わせにくいかもしれませんが、ご勘弁ください。

 田んぼの草のことでは、皆様いろいろと感じておられることが多くあると思います。困っておられる方の参考になりますので、どうかお寄せください。(2015/7/23)

 

解決9:うちの田んぼは、ひと雨降ると何日もじゅくじゅく湿っている湿田で、稲苗の手植えののちは水草がはびこって毎週草抑えせねばならない困った状態でした。

 今年は、その水草を根っこごと剥がして畔に除けておくことにしたら、そのあとにはしばらく草生えず、すこぶる楽できています。

 ただし、畔に除けてしまうとトロトロ層ができず、その対策どうするか考えなきゃいかんと案じています。(2015/8/12 神奈川県Nさん投稿)