・水稲の除草について

僕は約二ヶ月間、苗床で苗を育ててから定植する方法をとっています。

苗床づくり(種降ろし)は四月二十日頃で、田植えは六月二十日頃から。(奈良大和盆地における)

苗床で二度幼苗の足元の草を抜く。 

 定植後の除草

 六月中に田植えを行ない、七月初旬から八月初旬までの約三十日から四十日間の作業。冬草は自然に枯れ死んでいきますが、夏草が生命力盛んにして育っていますゆえに、その成育を断つ、あるいは押さえる作業です。一本の苗が分けつ盛んとして幼穂形成期に入るまでの期間のみ、草に負けないで元気よく育つようにとの手助けです。茎を増やしながら成長をし、分けつを終えた後は足元で草が育ち繁るに任せます。除草の作業は稲の成長を損ねないよう、特に根の成長を損ねないよう心配りをして作業を進めます。

 八月初旬の最後の除草作業は地上部のみ刈ってその場に敷くようにして、足元の敷き草や枯れ草の下、あるいは土中に鎌を入れないように作業を進めます。できる限り稲の根を痛め損ねないようにとの配慮です。

 稲が前半の三〜三ヶ月半、他の夏草に負けずに元気に育てば後半の三〜三ヶ月半は足元に種々の草が元気に生きて、それらの草に小動物が生かされて、動植物が一体となって活動盛んとして稲も元気に育つことができます。

 また足元における過去の亡骸の層では小さな小動物、微生物が活動盛んにして水田全体の活動盛んとなります。草は小動物を生かし、小動物は草々や稲を生かし、草々小動物の排泄物や死体は水田を肥沃にして、稲の豊かさと健全さをもたらしてくれます。

(2017/5/8 奈良県 川口由一さん投稿)

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