・簡易温床づくり(川口由一氏、平成30年の記録)

 自然農40年目の今年、夏野菜用の苗床を簡単な温床にして種を降ろして、少し早くに収穫できるように、少し長い期間恵みをいただけるように取り組みました。

2018/3/25、photo by 自然農・いのちのことわり
2018/3/25、photo by 自然農・いのちのことわり

 平成30年

3月15日

 昨年の温床用障子二枚に油紙張り替える。120cm×80cm

 

3月17日

 70cm位の深さで110cm×150cmの幅で堀り、掘り上げた土を踏みしめながら枠をつくる。北を高く南を低く傾斜をつくり太陽の陽射しを受けやすくする。

 稲藁、籾殻、生ゴミ、青草、米ぬかをサンド状に数段重ね、上から水を振りかけて発酵を促す。

 その上に掘り上げた上部の土を苗床用に8〜10センチ敷き詰めて障子をかぶせる。高い北側30センチ位、低い南側20センチ位の空間が生まれる。

 発酵がすすみ地温が少し生じてくるのを待つべく五日間ほど待つ。

 又、掘らないで地上部に温床用の枠を杭と板でつくり、その中に踏み込みをすると、毎年その枠を使って踏み込み温床ができる。

 

3月23日

 種降ろしとサツマイモ種を埋める。

 ピーマン、万願寺とうがらし、真黒ナス、中長ナス、ゼブラナス、大玉トマト、ミニトマト、地這いきゅうり、南瓜を条間7センチ、株間4センチ位で種を降ろす。じょうろで潅水して障子をかぶせて発芽を待つ。

 土の表面乾燥してくれば潅水。

 

4月11日

 地這いきゅうり、南瓜、早く育ったゆえに定植する。本葉3〜4枚。

 まだ霜が降りるおそれあるので、畑で自生のスス竹を利用して十字の小さな円形の空間(30〜40cm)をつくり油紙でカバーする。

 昨年は種降ろしが10日間程遅かったのと踏み込み量が少なく地温が低かったゆえにか霜が降りなくなる4月末日〜5月初旬に定植できたので、定植後の霜よけ対策は必要なしで助かった。

 踏み込み量が多ければ発酵が多く地温が高くなるので成育が早くなる。又天候、気温等の関係で温床内の地温は差が生じるので、種降ろし適期は定まらない。

 

4月22日

 まくわ苗、本葉3枚位に育ってきたので定植。簡単な霜よけを油紙でする。

 

5月2日

 トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス、西瓜の定植。

 定植後は潅水と米ぬか、菜種かす混合を少し苗から離れたところに補う。

 定植場所は約10日程前に直径約30センチ位の円形で草を刈り、土を移植ごて、笹の根のある畝はスコップで根切りして土をほぐした後、刈った草を敷いて整えておく。

 その他の夏野菜は直播きで4月末〜5月初めに種を降ろす。降ろす場所のみ草を刈り土をほぐしてその草を敷いて整え準備しておく。

 

今年の温床における反省点

 大和盆地の霜降り終るのは4月末〜5月初めなので、5月に入って定植できるように種降ろしの時季を考えてやはり、3月末頃が適期。温床期間は約一ヶ月と考えればよさそう。

 土に地力があると考え補いは無用と考えたが、種降ろし後米ぬかと菜種かすを等分に混ぜたものをごく少しの補いを条間にしておけば少し元気に育ったように思える。

(2018/5/8 奈良県 川口由一さん投稿)

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