・菖蒲やイグサが宿根を張っている田んぼを借りた

問題:新たに借りた休耕していた谷戸田ですが(横浜市青葉区寺家町のふるさと村内)、菖蒲やイグサが、しっかり宿根を張っていて、そこに苗植えていいものか、悩みます。こういう場合にうまく対処した人の体験談を聞きたいです。

(2016/1/4 神奈川県 Nさん投稿)

経験談1:湿地を好む草が根を張っている田んぼでの対処。

冬になって水を止めてもずっと湿ってじくじくしている様な湿地で田んぼをして8~9年ほどになります。

 

10年以上耕作放棄地となっていたところをお借りし、ガマやい草、笹にジュズダマなど宿恨の中でも太くたくましい草々が生い茂っているまさに湿地でしたので、お米の苗床は畝を高めに作った畑に作り、田植え時に草々を刈りながら田植えを進めていきました。

 

田植えの際、まず草を刈るときは土の表面すれすれに刈ります。

 

のこぎり鎌で土を十字に切って苗を植える際に、宿根草の根がきついところは深めに鎌を挿して根切りをしています。(普通田植えの際には聞くことのない根切りの「バキ、ボキッ」といった音がすることも多々ありますが)

 

また、稲の植えたい位置にい草など株が固く大きく広がったところはなかなか鎌が奥まで入らないので、株の脇から少し削るようにして株を少し小さくしてから、そのすぐ近くは避けて植えます。すぐ脇だとい草の勢いに稲が負けてしまいがちになるからです。

 

夏の草刈り時期にはまた元気よく宿根草も育ってきますが、少し深めに地面に鎌を入れて刈ってあげるようにすると勢いは抑えられます。

 

そのようなやり方をしながら何年も経ってきた田んぼは、最初の宿根草のジャングルだったような様子からはぐっと抑えられて田んぼの様を見せてくれています。

 

もともと稲は水気を好む性質なので、その地質にはあっているようで、きちんと田植えして草刈りをすれば、しつこい宿根地帯の中で一本植えをしても見事に分けつして豊かな実りをもたらしてくれる姿はありがたい限りです。

 

またお互い工夫されている点を共有しながらめぐみをいただきたいですね。

(2016/10/26 岐阜県 Mさん投稿)

経験談2:3年前から米を作っている田は、以前、花を作っていたそうで、溝があり、土も高くなっている状態。放棄されて15年くらいでした。谷津にあり、日照時間が短く、水を抜いても湿り気がなかなか取れません。田にはイグサ、ススキ、セイタカアワダチソウ、萱、蒲が部分、部分、密生していました。

 

1年目 初めは、背丈ほどもある、萱やセイタカアワダチソウを前にしばし呆然としましたが、端から草を刈りました。地面も平らではなく、刈った草を寄せながら、ある程度、平らにし、溝を揃えました。再度、植える前に草を刈り、萱の根はいくらか取りましたが、(今、思えば敵のように感じて…)手の関節が痛くなり、根を取るのはあきらめて、のこぎり鎌で十字に切り、植えました。米を育てている間は、それらの草の勢いは弱まり、あまり気になりませんでしたが、米は5畝程で10kも獲れませんでした。根をとるのに時間がかかって、田植えが遅くなってしまった為だと思います。その後作、3畝で麦を作りましたが、麦を作っているところだけは、萱などあまり育ちませんでしたが、それ以外は再びイグサが伸びました。萱やススキは少し減り、麦は30kくらい獲れました。

 

2年目 麦を作ったところは、麦やイグサを刈るだけでそのまま植えることができました。それ以外のところは、土ギリギリで草を刈り取り、植えるところにのこぎり鎌を深く挿して根を切り、植えました。それでも1反植えるのに2人で、延べ1か月かかってしまいました。(仕事の合間に行っているため)

畝が高いため、水の管理も難しく、成長期に十分な水をあげることが出来ない田なのでまめに水を入れましたが、あとから植えたものは、花は咲いても実が育ちませんでした。お米は60キロくらい獲れました。その後、古代小麦を蒔きましたが発芽せず、この年は、畝の高さの調整をしました。

 

3年目 冬期に何も作りませんでしたが、気になるほどのイグサや萱の伸びはありませんでした。替わりに、セリなど地を覆うタイプの草の勢力が強くなりました。田植え後の草の勢力が強く、草刈が大変でした。しかし、育ちはこれまで以上によかったです。高さの調整をした畝に限っては、実入りが悪かったです。しかし、イノシシが入ってしまい、ほとんど収穫できませんでした。

 

解決策というより、迷いや失敗の多い経験ですが、何か参考になればと思い、投稿させていただきます。

(2017/1/20 千葉県 Mさん投稿)

 

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