・慣業農法の田んぼを今年から自然農の畑として修復したい

相談:最近田舎暮らしをスタートしましたが、空き家の間に数年間田んぼとして隣人がお米を作り、販売しておりました。自然農の経験は初めてではありますが、3反を初心者がお米つくりをするよりも野菜を中心に練習していきたいと考えてます。

田んぼの今の状態は、すでに草刈は済んでおり粘土質で雨が降りますとトラクターの跡に若干水が溜まっています。自然農の経験者の方に相談しましたが、とりあえず初年度は一反当たり米ぬか20キロを撒いてその上から山の落ち葉で覆うというアドバイスともう一つは、ゾルゴーかライムギの種を撒くというやり方です。

とりあえず、一反から手を入れようと思ってます。個人的には、ライムギなどを植えて見たいと思ってますが、土が団子みたいになっているのでそのまま撒いても大丈夫でしょうか?何か他に方法はありますか? 陽当りはとても良く周りの田んぼとは5メートル以上のスペースはあります。

(2018/5/23 兵庫県 Dさん投稿)

返答1:自然農の畑をスタートするにおいて

 

【畝を立てる】

 自然農の畑をスタートする時、まず一番初めに「畝立て」をする必要があります。自然農の畝作りは、溝を掘り、掘った土を溝と溝の間の作付けする部分に乗せることで畝が出来上がります。畝立ての方法は、慣行農で耕していた農地であっても、耕作放棄されていた農地であっても、基本は同じです。

 スタート時に畝を立てたら、その後は耕さないため、畝を作り変えることなく使い続けます。それゆえ、よく考えてから、畝の方向、幅、高さ等を決めて作業に入ることが大切になります。陽当たり、土質、作りたい作物等々によって、一番良いと思う畑の設計図を、ある程度事前に描く必要があります。作物の育つ環境作りである「畝立て」は、非常に大切な作業です。

 

畝立ての基本の手順

1.草を刈り、一旦他の所(畝を作る場所の脇で良い)へよける。

 

2.溝を掘る部分に作付け縄を張り、スコップで溝を掘る。畝の幅は1~4メートル程度。溝の幅はスコップの幅。溝の深さは、湿りの多い土地なら深めに、乾燥地なら浅めにする。

 

3.掘った土を溝と溝の間に乗せ、鍬でくずしてならし、かまぼこ型になるように整える。その際、畝の上に乗せた土の中に宿根草の根っこが混じっているようなら取り除いて外へ出す。

畝は、かまぼこ型に整える
畝は、かまぼこ型に整える

4.豊かな畑でない場合は、この時点で補う。米ぬかを一面に、うっすら霜が降りる程度の量を目安に、痩せている所であれば多めに振り撒く。何年も耕されて土地が疲弊し草もほとんど生えていないような畑の場合、初年度は1反あたりに米ぬか200キロを目安に振り撒く。畑の場合、菜種油の搾りかすを米ぬかに混ぜても良い。

整えた畝の上に、米ぬかと油粕を振り撒く
整えた畝の上に、米ぬかと油粕を振り撒く

5.よけていた草を畝の上に戻す。もともと草が生えていなかった場合は、できれば土を裸にしない方が良いので、畦の草や周囲の草を振り撒いておく。

よけていた草を戻す
よけていた草を戻す

【作付ける】

 畝を作った後は、普通に作付けできます。緑肥など、土地を豊かにするための作物を育てなくても、自然に任せていれば勝手に草が生えて徐々に豊かになっていきます。はじめのうちは作物の育ちが良くないかもしれませんが、数年で変化を感じるはずです。

 地力不足を感じた時は、その都度、畦草・米ぬか・菜種かす・家庭から出る生ごみ等を振り撒き、補います。ただし、補い過ぎるとかえって軟弱な作物となったり、虫害をまねくことになりますので過ぎないように注意します。

 ↓下記のページも、大変参考になります。

 

【自然農の学びの場の利用】

 独学で取り組むことも勉強になりますが、全国に自然農を学べる場がありますので、お近くの学びの場へ足を運び、少なくとも1年~数年間、基本の作業を実際に見て学ばれることをお勧めします。

 基本の栽培の仕方を習得した後も、毎年の気候の変化に、その土地の状況に、絶妙に応じていかなければならず、そこを見極める能力を養うには経験の積み重ねが必要になります。ですから、基本の栽培方法については一人で試行錯誤して時間を費やすよりも、先人の方々に教えを求め、すばやく吸収される方が良いと思うのです。更には、応用の仕方、言葉を通しての理解、生き方全般についても深く学べる場として、全国の自然農学びの場は開かれています。

それぞれ特徴がありますので、お問合せの上、選ばれると良いのではないかと思います。

(2018/7/29 三重県 Sさん投稿)

 

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